中国に滞在している日本の相撲取りが、帰国を願い出るために皇帝の行幸を待ち受ける。大勢の供を従えて鳴り物入りで皇帝が登場し、玉座につく。通辞(通訳)が相撲取りの願いを取り次ぐと、皇帝は名残にもう一度相撲が観たいと所望する。通辞が行司をつとめることになり、お供の唐人たちが次々に相撲取りに挑むが、ことごとくなぎ倒されてしまう。ついには皇帝自ら相手になると言い、唐人たちの歌と楽による囃子に合わせて身ごしらえする。いざ取り組もうとしたとき、玉体に直接触れさせるのは汚らわしいと、皇帝は再び楽の囃子で舞いながら荒菰(あらこも)を体に巻き付けさせる。ようやく取り組みとなるが、相撲取りは皇帝を打ち負かしてしまう。唐人たちは相撲取りを追い込み、皇帝を抱き上げて手車に乗せ、傘をさしかけて退場する。